2017年9月28日木曜日

ベース練習日記72 ブルースのベースライン研究03


Fの簡単なブルースのベースラインを研究するシリーズ、
この↓ベースラインを題材に進めてきまして、今日はその3回目です。














こんかいは3行目ですね、
早速見て行きます。

まずは、その時のコードに対して何度の音を使っているかを調べます。











こんな感じですね!



前回までと同様、1小節ずつ見ていくことにします。



1小節目&2小節目


1、2小節はコードがC7です。

1小節目の頭、コードがC7に変わったところですが、
RじゃなくてP5の音から入るのがかっこいいです。

そこから2小節目の頭のRめがけて下がっていくのですが、
普通に5432と下がっていくのもアリなはずのところ、
敢えて3拍目をM2の音にして、半音で2小節目に入るのがオシャレポイントですね。


2小節目はR から P5 を通って、オクターブ上のRに行って、
4拍目m7から次のコードF7のM3の音に繋がってます。

音が跳躍すると難しいことやってるように聴こえる(僕しらべ)し、
次のコードの3度に滑らかに繋がるのもかっこいいし、
ここは C7(V7)からF7(I7)に4度進行だから良く出てくる進行だし、

このラインは便利そうです。要チェックです。


3小節目


っつーわけで3小節目、F7のコードはM3から始まります。
2小節目で1オクターブ上がったところから下がってきてる流れなので、
引き続き下がるラインですね。

M3 m7 P6 ですか。
そんなのもありなんですね。

で、4拍目は次のコードの頭に半音でつなげるパターンですね。
短2度はそのコードに対しては結構キツイ響きになるので、
これもジャズっぽい感じでますよね。


4小節目

4小節目はこの曲の(というか、12小節で1回しの曲の、1回し目の)終わりです。
ブルースは12小節のコード進行をグルグル回してソロ取っていくようなので、
ここで誰かのソロなりが終わって曲の頭に戻るわけですね。

コードはC7,つまりV7で、例の4度進行で頭に戻るわけです。
(戻った先のコードがI△7だったらドミナントモーションですね。でもI7だから、ニセドミナントモーションです)

ここで終わりだよーって所を他のプレイヤーとか聴いてる人に分かりやすくする必要があるからなのか、なんなのか、この小節については、1拍目P5,3拍目Rで、強拍にちゃんとコードトーンが来てますね。3拍目Rに向かって、2拍目ではその半音上を弾いて、3拍目のRの音を強調してる感じもします。

で、最後もコードトーン、M3つまりミの音で終わってます。
これ頭に戻ったら半音上のF弾く気まんまんですね。



まとめ

度数つきの楽譜はこんな感じです。



















みなさんも、これをみながら、

1 いま弾いてるとこのコードを常に意識して
2 自分が出してる音を度数で歌いつつ (ルートーにーたんさんちょうさんルートーみたい)

弾いてみて下さい!で、このラインいいなーと思ったら、
その場所のコード進行と、ラインの特徴のセットを覚えるようにすれば、
他の曲でもそのラインが使えるようになるはずです。


たとえば一番最後の2小節のラインとか、どっかで聴いたことある感じですけど、
とりあえず、あーあのラインはM3から入って最後の小節のP5に半音上がりながら入るやつだ、くらい覚えておけば、出したいときにこのライン出てきやすいのかな、と思います。


いやー、やってることを言語化するってホント大事ですね。
次回の日記もこの調子で引き続き、ブルースのベースラインを見ていこうと思います!


2017年9月27日水曜日

ベース練習日記71 ブルースのベースライン研究02

前回に引き続き、単純なブルース進行のベースラインを分析していきます!


Straight No Chaserという曲を題材にしています。
コード進行は一番単純な↓これです!














前回はこれの1行目を見たので、
今回は2行目を見て行きます。


まずは、それぞれの音が、そのときのコードでは何度の音なのかを確認します。




こんな感じですかね。

*前回特に書きませんでしたけど、度数の確認は、
たとえばこの2行目の1小節目だったら、

コードはBb7

最初 Bb : これはルート
Ab:Bbから全音下がってるからm7
G: シドレミファソだったら、6度だけど間に黒鍵無いところが2個あるから短6度、でも最初がシじゃなくてシbだから、短6度より半音距離が長い。つまりBb-Gは長6度
F:シドレミファだったら減5度、だけどシbだからBb-Fは完全5度

みたいに、辛くても一つずつやってる内にすぐ分かるようになるはずです(ベースで弾きながら確認すれば指板の形からも音程はわかりますが。。)、
ご自分の弾かれてる曲で一つずつ確認すると良いと思います。



今回はコードチェンジが一回しかなく、Bb7とF7を2小節ずつです。

それでは早速1小節ずつ見て行きましょう。


1小節目

Bb :ルート
Ab :m7
G  :M6
F  :P5

なので、ルートから(おそらく)ミクソリディアンスケールでP5まで降りてきてるってことが分かりますね。
3拍目はコードトーンにすると落ち着くわけですが、それは無視してるようです笑



2小節目

Bb :ルート
D  :M3
Eb :P4
E  :ー5

最後のEは減5度ですが、これはBb7のコードで減5度を鳴らしたというより、
次3小節目の頭でF7のルートFを弾くから、そこに半音下からアプローチしたって考えていいと思います。

そう考えると、この1-2小節目では、
ルート、 M3,P4,M6,m7 の音が使われてるので、
Bbミクソリディアンを下がってあがったって考えられそうですね!

ミクソリディアンはP4がアボイドなので、
ダウンビートである3拍目でP4弾いてるのは結構ビックリなんですが、
まあそれもブルースだから大丈夫ってことなのかなと、深く考えないようにすることにします。


*今までの考え方でいくと、キーがFでBbは4番目なのでコードはBb△7で、キーの音だけで弾くならBbリディアンになるはずですね。でも実際はBb7でドミナントコードなので、ミクソリディアンでいいってことなのかなとおもいます。簡単なブルースでは困ったらミクソリディアンってことですね。


3小節目&4小節目

F  :ルート
F  :ルート
E  :M7
Eb :m7

A  :M3
E  :M7
D  :M6
Gb :m2

これはどう考えたらよいのか。。

最後のGb/短2度は次のGへの半音アプローチでしょうね。
M7の音が二回出てきますね。
理由はよくわかんないですけど、ブルースのI7コードでM7の音をたくさん使っちゃえることは分かりました笑 ほかの曲のベースラインでも、R、M7,m7をうろうろするライン結構見たこと有る気がするので、そういうアイデアもあるんだなーと思っておくことにします。





というわけで一通り見てみました。
今日の発見を一般化してみると、

簡単なブルースではミクソリディアンを基本に考えると良い
トニックではM7を強調して良い

ってところですかね?

一方、ブルースはメジャー系のコードであるドミナントコードで短3度を鳴らすのがミソと聞いたことがあるのですが、長3度の音の方がたくさん出てきますね。

Straight No Chaserはどちらかというと明るい曲ですし、ベースはコード感を出す役割があるので、短3度を鳴らすのはフロントの楽器に任せて、基本はコード通りM3を弾くってことかもしれません。


さあ、次回は3行目をみて行きます!





2017年9月26日火曜日

ベース練習日記70 ブルースのベースライン研究 01

今日は早速、ブルースの実際のベースラインの分析を始めたいと思います。

題材は、Straight No Chaserにします。
セロニアス・モンクというピアニストが作った曲です。

ウイスキーとかをストレートで飲んだ後、
それだけだと強すぎるので水(チェイサー)を飲んだりするんですが、
んなもんいらん、ただそのまま出しやがれという、硬派な曲名ですね。

原曲はBbなのですが、諸々の都合によりFでやります笑


まずは楽譜を見てみましょう!




まずコード進行ですが、
練習日記69で見たとおり、

I7  IV7 I7 I7
IV7 IV7 I7 I7
V7  V7  I7 V7

になってますね!

キーはFなので、Bbにはフラットが付いています。
一方、いろんなところに臨時でフラットがついてますね。
さすがブルースです!


ベースライン研究と偉そうなタイトルがついてますが、
これからやることは単純で、


各コードに対し、何度の音を使ってるか確認していくだけです。


単純ですが、

この確認をとにかくたくさんのベースラインでやっていけば、
キーを変えたときとか、別の曲で同じコード進行が出てきたとき、
同じラインが弾けるようになるはずですので、
ここは我慢してとにかく黙々とやっていきます。


ってことで、1行目!
そのコードの中で何度の音かだけ考えればいいので、
まず答え書いちゃいます。




一小節目


F G Ab A という並びです。

最後のAは、次の小節のRであるBbの半音下です。
次のRに半音でつなげる方法は、以前練習日記63-64でも出てきました。

ここはようするにFからその上のBbまでちょっとずつあがって行くわけですね。

で、ですね。
強拍(ダウンビート)である1拍目と3拍目はコードトーンがいいよって話も以前出てきたと思います。

その考え方でいくと、F7のコードで、まあ1拍目はR弾くとして、
3拍目はM3かP5かm7を弾くことになりますが、

一小節目の3拍目、F7のコードなのにm3度弾いてますね。
いきなりブルースっぽい!

P4度上に上がる進行は超よく出てくるわけですが、
その進行でこのラインは超便利です。


二小節目

F7から段々あがって、2小節めの頭はRのBbですね。

で、BbのコードのM3の音(D)に、Bbから下がります。
この、RからM3の音に下がる動きもよく出てくるので、指板の形と一緒に覚えちゃうのがいいです。RからM3の音に下がる形は、次の2つを覚えるのがいいとおもいます:














で、いまDにいて、次のコードがまたF7ですから、
D Eb E と半音ずつあがりながら3小節目に向かいます。
(なのでこの場合はBbからDの開放弦を弾いたほうが、A弦5フレのD弾くより
弾きやすそうですね)



三小節目、四小節目

3小節目と4小節目はコードチェンジが無く、2小節間F7です。

3小節目は、F A C と普通にコードトーンを弾いたあと、4拍目でM6。

4小節目の頭で(小節の頭だからRを弾くのが普通なのに)Ebの音です。
Ebの音はF7のコードではm7の音です。
あえてルートを弾かない。。これがオシャレか。。

んで、2拍目からはCAFと、普通にコードトーンを弾いてFに戻ってきました。



今日のところはここまでにしますが、


例を例としてだけ覚えてても応用できないので、
今日やったことを一般化してみます。


1-2小節の、F7からBb7の進行を一般化して言うと:
P4度あがるコード進行で、ルートが上昇するライン

2-3小節の、Bb7からF7の進行:
P5度あがるコード進行で、ルートが下がるライン

3-4小節の、F7を2小節やるところ:
同じコード2小節目の頭をm7にして、それを頂点に上下するライン




って感じですかね。

これを覚えておけば、

今後ブルースやるときに、同じドミナントコードが2小節続くところがあったら、
2小節目の頭をm7にするラインを弾くことが出来るわけですね!



長くなったのでこの辺で。
次回は引き続き、Straight No Chaserの2行目をみていきたいと思います!



2017年9月25日月曜日

ベース練習日記69 ブルースのベースライン研究 はじめに

大分更新をサボりましたが、これは全てド〇クエが面白すぎたからです。

今までベースの練習+ブログ更新に使われていた時間が
ベースの練習+ド〇クエになっていました。
失われた時を求めたい気分です。

さて、このブログではすでにある程度スケールなどについて考えて来たので、
あとやることは、コード進行の分析(どのスケールが使えるか考える)と、
実際プロが弾いているベースラインの研究が2つの柱になるかと思います。

ジャズの基本のキといえばブルースらしいので、
これからしばらくはブルース曲のベースラインをひたすらコピーして、
分析してみようと思います。


で、


実際のライン研究に行く前に、今日はかるーくブルースについて考えてみます。

ブルースは、その成り立ちとか色々読むとものすごく面白いのですが、
超簡単に言うと、アメリカに連れてこられた黒人奴隷の音楽と、当時の白人の音楽が混ざって出来た、民族音楽の一つです。

民族音楽って何かって言うと、これも大雑把すぎて怒られそうですが、西洋の音楽の成り立ちとは違う成り立ちをもつ音楽ってことが言えると思います。

で、ブルースもその例に漏れず、(ブルースと出会う前の)西洋音楽の考え方からすると、説明しにくいところがあります。




たとえばキーがCのブルースの進行って、基本的なものがこんな感じです。

C7 F7 C7 C7
F7 F7 C7 C7
G7 G7 C7 G7



ぜんぶドミナント7です笑


なんでこうなるか、理由はよく分からないのですが、
とりあえずブルースでは、キーがCならC△7だろとか、そういうこと考えなくていいので簡単だ!くらいに思っておけばいいのではとも思います。なんで?と聞かれたら、ブルースだから、でいいんじゃないかと。


で、キーがCのブルースで使えるスケールはこんな感じです。


ド レ bミ  ミ ファ bソ ソ ラ bシ シ


メジャースケールに、

短3
短5
短7

の音を足した音が使えます。


そもそもメジャーとマイナーキーの違いは、
3度の音程が長音程か短音程か、でしたが、

ブルースでは両方使っちゃうわけです。
C7のコードが鳴ってるときに、Ebを鳴らすわけです。

こうなると、その曲がメジャーキーなのかマイナーキーなのか、
判別できなくなりますよね。(マイナーコード主体で演奏するマイナーブルースというものもありますけど、ここでは割愛します。マイナーブルースではない、上のコード進行のようなブルースでは、メジャーマイナーの区別がつかない、って話です)


で、さっきも書きましたが、こういうのは全部、もともとブルースが西洋音楽とは違う成立ちを持ってるからと言っていいようです。

なので、まああんまり深く考えずに取り組むのがいいように思います。
まあブルースだし、ってことで。



そして今日はもう一つ。

ブルースの基本進行をさっき書きましたが、
これを度数で言うと、

I7  IV7 I7 I7
IV7 IV7 I7 I7
V7  V7  I7 V7

になりますね。この構成は度数で覚えちゃいましょう。

また、メジャースケールに短3、短5、短7の音がつかえる、
ということも頭に入れておきます。

これは、Cメジャーの曲は一曲通してCメジャースケール使える、
ってのと同じようなレベルで、

CのブルースではCのブルーススケールが使える、
と理解しておけば大丈夫です。


ここまでを頭に入れて、次回からさっそくベースラインを分析してみます!


コード進行in C 日記11 First Love  宇多田ヒカル

今日は宇多田ヒカルのFirst Loveのコード進行を、 Cメジャーキーに直して考えてみます。元々のキーはGメジャーです。 <イントロ> C       | G/B     |  Am    |  C/G    |  FM7   | Dm7/G  | C  F/C  ...