2017年7月12日水曜日

ベース練習日記50 2-5-1について 読む練習シリーズ3 


2-5-1(ツーファイブワン)は、 メジャースケール神ほどまでは行かずとも、
ジャズをやるなら、いや、別にやらなくても、すごく大事になる考え方です。



やる曲が決まったらまずは2-5-1探そうって位大事です。



ということで、まず。


251って何かって言うと、とっても単純で、

任意のキーのダイアトニックコードの、

II-V-I

っていう進行です。


で、キーにはメジャーとマイナーがありますので、
メジャーの251と、マイナーの251があります。


メジャーだったら簡単で、

IIm7 - V7 - I△7


ですよね。


マイナーだと、普通にナチュラルマイナースケールで考えたら

IIm7b5 - Vm7 - Im7


になるんですが、これは実際あんまりないみたいで、
ドミナントモーションをハッキリさせるために、

IIm7b5 - V5 - Im7

などになることが多いようです。
でこのV5がV5(b9)とかになることも多いようですが、
そういうとりあえず細かいことろは今は考えないようにしましょう。無視無視。


んで、

曲をみたらまずドミナントセブンスコードを探して、
その前後のコードを見てそれが251の一部かどうかを見てみる癖をつけるのが良いということです。


というのは、この2-5-1、

ほんと、

どこにでも出てきます


ので、

2-5-1で使えるフレーズを覚えておけば、
いろんな曲のいろんな場面に対応できるんです。

ジャズではもちろんたくさん出てきますし、
以前スガシカオのJUNEって曲のコード進行を取り上げましたが、そこにも入ってました。


(で、ドミナントセブンスについて書いた記事もご覧頂きたいのですが、)
そもそも、4度上(5度下)への移動は、一番気持ちいい進行といわれています。
それプラス、V7-I△7の最強進行、ドミナントモーションもはいってるので、
251がたくさん出てくるのは必然といえるみたいなんですね。


そしてそして、

この2-5-1という進行中は、

その部分のキーが、251の1のキーになる

と考えてよいそうです。
*考えなきゃいけないわけじゃありません。考えていいし、そう考えるとつじつま合うしやりやすい、位の意味だと思います。我々は自由です。



つまり、


何かの曲のコード進行で、
ダイアトニックじゃないコードが出てきたとき、

それが2-5-1の進行だったら、
その251の部分は、その曲全体のキーではなく、
そのIコードのキーだ、と考えてよいということです。


メジャー系の251だったらIメジャーキーだし、
マイナー系の251だったらIマイナーキーですね。


というわけで、
今日はみんなが知っている、Fly Me To the Moon のコード進行から、
251を探してみましょう!


コード進行はこちら!









黒い線で囲ったのが1小節です。


この曲は、基本的にはCメジャーです。

っつーわけで、とりあえずCメジャーのダイアトニックコードと、
それ以外を分けてみたいと思います。

みなさんもご自分でちょっと考えてみて下さい!















ほとんどダイアトニックだったので、

ダイアトニックじゃないヤツらを黄色にしてみました。


さて、じゃあここから251進行を探してみます。


やりかたは簡単です。


1 ドミナント7を探す
2 その前後のコードをみて、ルートが2-5-1で動いてるか見る
3 コードの種類が、m7/7/△7 もしくはm7b5/7/m7であるか確認する


これだけです。


さっそくやってみます。


まず最初、一列目にG7が有ります。
その前後には Dm7とC△7があります。

おお、これは早速251ですね。

251はP4度ずつ上がる進行なわけですが、

今回の進行、

レミファソ
ソラシド

と、それぞれP4度で動いていますし、
最初のコードがm7、真ん中がドミナント7、最後が△7なので、
メジャーキーの251だと分かります。

最後のコードC△7がI番のコードなので、
ここはCメジャーのキーの251(曲のキーと一緒)です。


曲が最初Am7から始まって、マイナーの曲なのかな?と思いきや、
Cメジャーの251に繋がってるんですねー。













さて、次のドミナントセブンは、二列目、E7b9です。
こいつはCメジャーのダイアトニックじゃないコードでした。

こいつの前後を見てみると、
Bm7b5 E7b9 Am になってます。


ルートを見ると、
シドレミ、 ミファソラ、 で両方とも4度上がってますね。

ということでこれも251。 IIがBm7b5、IがAmですから、
Aマイナーキーの251です。
E7についてるb9は、E7のときに2度とか9度弾くなら短音程にしろよ、
みたいな意味だと思っとけばいいと思います。ここで使うスケールを考えるときに参考になるわけですが、それはまた別の話。。



つまり、Bm7b5のところで、Cメジャーの平行調であるAマイナーに転調したともいえます。平行調なので、AマイナーのダイアトニックコードはCメジャーのダイアトニックコードでもあるわけで、そういう風に考える必要がないと言えば無いですけど。

でもマイナースケールの記事でも考えたとおり、
マイナースケールには3つあり、その結果マイナーキーでは使われる音が状況によって変わるので、あーここはマイナーキーなんだな、と分かるのは大事なことです。

今回の例で行くと、E7b9がいい例で、
これはCメジャーのダイアトニックじゃないわけですが、
Aマイナーの文脈で考えると、あーマイナーキーのV番のコードをm7からドミナント7に変える、よくあるやつね、っと簡単に理解できるわけです。

そんな感じで、マイナーの251は、メジャーの251と異なり、
251を通して一つのスケールで考えることが実は難しいので、
各コードで想定するスケールを変える必要があるみたいです。
細かいところはそれもまた別の話。とりあえず今回は、ここが251だと分かったので十分とします。












では次です。

いまの251の直後にA7がいますね。

その前がAm7なので、251じゃないことは明らかだと思いますが、
その次がDm7です。ラシドレ、でここも4度上に上がる進行です。

ということは、

A7 Dm7 を、Dマイナーキーの V I と考えることも出来るわけです。
そう考えて聞いてみると、ここだけそこはかとない別のキー感が漂います。
(というか、あーこの感じは一瞬転調っぽくなってるって捉えればいいのかー。という風に考えておくのがいいように思います)

このA7は、Am7の3度を半音上げただけなので、
Am7からのスムーズなつながりをもってますし、そこからドミナントモーションで次のDm7へ、橋渡しをしてる感じがありますね。

さらに、Am7の短三度であるドが、A7でド#になって、次のDまで半音で上がってることにも注目したいです。


で、次のドミナント7はG7です。
最初に出てきたG7と同様、これもDm7 G7 C△7なので、
Cメジャーの251ですね。

さっきのA7-Dm7で、Dマイナーキー感が出たかなと思ったら、
着地したDm7が、Cメジャーの251の始まりなわけですね。

この曲が、明るい感じにも暗い感じにも聴こえるのは、実はこんなふうに、
メジャーキーとマイナーキーの間をふわふわ漂ってるのが理由だったってことかと思います。












で、直後にF7が入りますが、
これはその次がEm7なので、251ではないですね。
ドミナントモーションですらないです。

このF7はなんでしょうね、
C△7からA7までコードトーンを比べると、
ミ ミb レ ド#って半音ずつさがるつながりがあるから、
それがポイントなのかな? 

ここは研究したいところです。


今回とりあえずそれは置いといて、
次のドミナントはA7です。

これ、Em7 A7 Dm7 で、
ルートは4度ずつ上がってるし、真ん中はドミナント7なので、
とっても251っぽいです。

251だとすると、最後IのところがDm7ですのでマイナーの251です。

ただ、IIのところがEm7b5では無いんですよね。
こんな感じで、マイナーの251では、IIのb5をあえてフラットさせないことも多いみたいです。ここでは、ばっちりDマイナーのキーに聴こえるのを避けるために敢えてフラットさせてないのかな?と思ったりします。ためしにEm7b5に変えてみても、特に違和感ないんですけど(僕が聞いた感じでは、ですけど)。

これは251って呼ぶんですかね?
呼ぶような予感もしますが、
今回は基本的な251だけを考えることにして、
敢えて画像には色つけないでおこうと思います。



で、まあさっきも出てきた、A7からDm7への進行を経て、
次も Dm7 G7 C△7の251が出てきます。














これが最後かと思いきや、
最後のE7b9も、

曲の冒頭、Am7に繋がるドミナントVということで、
ここにも251が出てきます!














ってな具合でですね。


いかにもジャズっぽい、オシャレな曲って感じでしたが、
よく見てみればこの曲、


実はほとんどずっと251を繰り返してるってことが分かりました。
(2番は実は1番とちょっと違うんですが、長くなるので割愛してます)

A7-Dm7もドミナントモーションだし、
Em7-A7-Dm7も251に似てるし。


いかに4度進行やドミナントモーション、その組み合わせである251がたくさん使われるか、

つかめたのではと思います。

上にも書きましたが、251であることが分かると、

そこでどのスケールを使ったらいいかも分かったりしますし、

とにかくよく出てくる進行なので、これを軸にフレーズとかベースラインを覚えておけば、演奏の幅がひろがるはずです。ツーファイブワンのフレーズ、とかで検索すると、いろいろ見つかるのでそういう意味でも便利です。


この曲が基本Cメジャーと書いたのは、
どっちかっていうとC△7につながる251の方が多いし、時間的にも長いし、
みたいなところからです。(メジャーキーの方がわかりやすいし。。)

他のブログなんかには、別にこの曲はAマイナーキーだよって人に言われても、
間違いじゃないだろうみたいに書いてる人もいます。


今回はこのへんで。


みなさんもこんな感じで、知ってる曲の251を探してみてください!

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